1月から建設を進めてまいりましたタイニーハウス小菅デザインコンテスト2017の作品群が完成に近ずいてきました。今回は4回目の報告を致します。受賞作品で建設が遅れていました優秀作品もいよいよ建設が始まりました。まだ最終形では有りませんが報告いたします。
まずは最優秀作品です。小さな空間にさまざまな生活アイデアがちりばめられた作品が現実として見えてきました。
可動ベンチ、造作テーブル、造作棚、可動カウンター、階段等タイニーハウスでの生活をサポートしてくれるアイテムが空間を特徴づけています。
何も持たない、何もいらないと言ったミニマリズムの空間とはちょっと違い、実生活を快適に、しかもミニマム空間の中で実現している点で素晴らしい作品です。
この建物の特徴であるデッキを挟んで生活棟とサービス棟が分れている空間も見えてきました。
現在ここを半屋内空間とすべくデッキの両側に木帯を使った建具を制作中です。木材を薄く削りだした帯状の板を格子状に編み上げた扉です。
何とか製品になるめどが見えてきました。実物モックアップを作製した力作です。これから最後の編み上げを行い、現場に取り付け完成します。
タイニーハウスは小さいけど面白さが大切ではないかと思っています。大きな家では見過ごされてしまいそうな事を色々考えて盛り込むことにより空間が豊かになっていきます。タイニーハウスの醍醐味かもしれません。
次は優秀作品の八角形のタイニーハウスです。
まだ、完成ではありませんのであまりお見せできないのですが、作者が美術の先生をしていた関係で、内部空間にこれから絵をかいていただく予定です。
外観は完成していますのでお見せいたしますが内装については完成した時にお見せした方が良いかなと思っています。
最近は建築とアートの関係が希薄になりつつありますがこの建物はもう一度この関係を見直す機会になればと考えています。
建築専門家の感覚とはちょっと違った空間に仕上がりそうです。この建物も色々なアイデア満載のタイニーハウスです。
3番目は事務局提案のタイニーハウスです。外装はシンプルな建物で床面積は8帖と第一号作品と同じ大きさです。
プランニングにはちょっとした仕掛けがあり第一号作品とは違う空間となっています。
特徴的な点は内部が光ダクトを中心に床が回転しながらスキップしている点です。
色々考えればこんな事も出来てしまうのがタイニーハウスではないかと思います。
小さい事が構造的にも有利に働き色々な事が可能になります。立って半畳、寝て一畳と昔から言いますが小さな空間でも意外と色々使えるものなのです。
タイニーハウスのデザインでは今までとは違う感覚でサイズを検討する事が重要になります。その事がより人間に近い建物になっていくように感じています。
もう一つの優秀作品は現在、基礎工事が終わり昨日から建て方工事に入りました。あいにく今日は雨模様、明日からは天気も回復するようですので、建て方の様子を報告いたします。
それぞれの作品は確実に実現に向かって進んでおります。第二回の応募者の皆様においては色々と検討中とは思いますが参考になれば幸いです。
現在第二回のデザインコンテスト中ではありますが小菅村からはこのプロジェクトを全面的に応援していただいております。今日紹介したタイニーハウスは今後村の住宅施設として利用してまいります。一度入居してしまうと中をお見せできなくなりますが、入居者の協力を頂きながら内覧ツアーなども行う予定です。
以上、これからもタイニーハウス小菅プロジェクトへのご支援、よろしくお願いいたします。