◎プロフィール

 

和田隆男:一級建築士・技術士(都市計画及び地方計画)

 

 

私は東京で建築士として仕事を始めて以来建築設計に携わってきましたが、縁あって今から約23年前に小菅村で温泉施設の設計をする機会に恵まれました。

 

23年前は一般的に木造の大規模建築はほとんどなく、設計には苦労をしましたが、林業を主体として発展してきた村で建物を建てるならば木造とすべきとの思いから木造建築を提案をし、受け入れられ設計を行う事が出来ました。

 

それ以来村内の公共施設の設計をさせて頂き、多くの作品を残す事が出来ました。温泉施設「小菅の湯」に始まり、同宿泊施設、高齢者福祉センター、物産館、農村公園施設設計、公衆トイレ、村民体育館、道の駅こすげ、小菅村村庁舎などです。

 

木材の輸入自由化以来、日本の林業は衰退してしまいましたが日本が唯一豊富に持っている資源は木材です。木材は化石燃料や鉱物資源と違い再生可能な資源です。しかも木材は豊かな香りまで提供してくれます。この森林をしっかりと管理をしていけば山は再生し、持続可能な社会を構築できると共に、日本は資源大国になれるのです。

 

また、日本人は木材を建築のみならず、さまざまな物に活用しその技術を長年にわたり培ってきました。日本人が築き上げた社寺建築を始め住宅建築や生活什器に至る木材を利用する技術は世界でもまれな技術であると思います。日本文化イコール木の文化と言っても差支えないと思います。

 

地球温暖化や資源の枯渇、持続可能な社会の構築等を考え合わせると、私達はこの豊かな木材資源と長年培ってきた木材利用技術をもっともっと利用すべきと考えています。

 

木と共に暮らす日本文化を発展させるために、木材を利用する技術やアイデアを追及していく事が日本人としてのアイデンティティを再発見する大事な作業であると考えます。

 

木と共に暮らす社会をもう一度考えてみてはどうでしょうか。 

 



作品

小菅村役場 1階RC造・2,3階木造 LVL大断面集成材ラーメン構造


小菅村体育館 木造 大断面集成材トラス構造